自慰行為や他のシチュエーションでは問題がないにもかかわらず、特定の相手に対してのみ機能しなくなる状態は、医学的に「状況性ED」と呼ばれます。その背景には、男性特有の繊細な心理メカニズムが存在しています。
最も多く見られるのが、心因性EDとプレッシャーの悪循環です。「また失敗したらどうしよう」「妻を満足させなければならない」「男としてのプライドが傷つく」といった強い緊張感が交感神経を過度に優位にさせ、勃起に必要な副交感神経の働きを阻害してしまいます。一度の中折れや不発の経験がトラウマとなり、寝室に入ること自体が恐怖へと変わっていくケースは珍しくありません。
さらに、妻に勃起しない男性心理の根底には、「妻を聖域化してしまう」無意識のブレーキが働いていることもあります。子どもが生まれたことを契機に、パートナーを「異性」ではなく「母親」「家族の共同経営者」として認識する意識が強まり、性的な対象として見ることへの無意識の抵抗感がブレーキをかけてしまうのです。