一般的な分譲マンションと大きく異なり、六甲の集合住宅Iは全20戸の間取りがすべて異なるという贅沢な設計が施されています。総戸数わずか20戸というスケールでありながら、ワンルームタイプからメゾネット、トリプレックス(3層構造)まで多彩なバリエーションが存在します。
共用廊下や階段は屋根のない外部空間として開放されており、住人は路地のような屋外アプローチを通って各住戸へと向かいます。この「立体的な路地空間」は、単なる移動スペースではなく、住民同士が自然に顔を合わせるコミュニティの場としても機能するよう意図されたものです。
各住戸の内部に入ると、無駄を極限まで削ぎ落とした打ち放しコンクリートの壁面と、開口部から差し込む強い自然光のコントラストが広がります。テラスとリビングの段差を抑えることで内と外が曖昧に連続し、専有面積以上の開放感をもたらすプランニングは、現代の住宅設計においても色褪せない完成度を誇っています。