ネット上には「汗をかかない体質は熱中症にならない」「水分さえ摂っていれば汗が出なくても問題ない」といった危険な俗説が蔓延しています。しかし、これは生理学的に正反対の致命的な誤認です。
水分をいくら摂取しても、それを体外に放出し気化させる汗腺機能が停止していれば、体内深部の熱を逃がす術はありません。その結果、直射日光下にいなくとも、室温28度前後の室内で体温が39度〜40度超まで跳ね上がる「うつ熱状態」に陥ります。発汗による冷却を伴わない熱中症は、脳浮腫や播種性血管内凝固症候群(DIC)へと極めて短時間で移行し、最悪の場合は死に至ります。
また、精神的ストレスによる「自律神経失調症 発汗異常」も軽視できません。慢性的な睡眠不足や過重労働によって交感神経と副交感神経の切り替えが破綻すると、体温調節シグナルが遮断され、体温が上昇しても発汗指令が出なくなる機能的停止状態に陥ることがあります。日頃の体調管理不足として見過ごされがちですが、身体のサーモスタットが物理的に故障しているサインです。