女性芸人の活躍の場として定着した『女芸人No.1決定戦 THE W』と『キングオブコント』では、求められる競技性と評価軸が根本から異なります。両者の性質の違いを理解することは、コントにおける女性芸人の立ち位置を俯瞰する上で不可欠です。
THE Wは、漫才・コント・ピン芸・リズムネタ・モノマネが混在する「女性芸人の総合異種格闘技戦」です。ここでは、タレント性、キャラクターの愛されやすさ、現代女性の共感を呼ぶ日常の切り取り方が重要な加点要素となります。オダウエダのようなカオスなコントから、天才ピアニストの細やかな人間描写、紅しょうがの力強い漫才まで、多様な表現が評価されます。
対するキングオブコントは、完全に「コントという表現形式のみ」に特化した純粋無差別級の戦場です。審査員席に座るのは、松本人志氏をはじめ、東京03・飯塚氏、ロバート・秋山氏、バイきんぐ・小峠氏、かまいたち・山内氏といった、コントを極めた現役の職人たちです。彼らが評価するのは、「設定の新規性」「伏線回収の緻密さ」「演技のトーン&マナーの破綻のなさ」「笑いの爆発力(トップスピード)」という極めてストイックな要素に限られます。ジェンダーによる下駄や配慮は一切存在せず、純度100%の技術と熱量が問われる舞台なのです。