御殿場インターチェンジから車で数分、昭和の面影を残す「茅葺き門」をくぐると、そこには都会の喧騒から隔絶された別世界が広がります。緩やかなカーブを描く竹林の小径を抜けた先に現れるのが、建築家・内藤廣氏の設計による木造の美しい工房建築です。
人々がこの場所を求めてやまない決定的な理由は、「五感すべてで味わう和菓子の時間」にあります。一般的な甘味処とは異なり、客席は庭園に面した半屋外のウッドテラスが中心。小鳥のさえずりや風にそよぐ笹の音、水辺のせせらぎを聞きながら、ガラス越しに職人が一つひとつ丁寧に和菓子を仕立てる姿を眺めることができます。
「高級菓子としての羊羹」という従来の虎屋ブランドの枠を超え、かつての農村や町家で親しまれていた素朴な日常菓子を原点のままに届けるという哲学が、訪れる人々に深い癒やしと心地よさを提供しています。