ネット上のまとめやSNSの書き込みでは、「ドームツアーの売上が数十億円あるのだから、Takaの年収は30億円以上あるはずだ」といった極端な意見を目にすることがあります。しかし、ここにはエンタメビジネス特有の盲点と大きな誤解が存在します。
ライブ興行における最大の障壁は、莫大な制作経費です。特にONE OK ROCKのようなスタジアム規模のステージでは、音響・照明・LEDビジョンなどの機材費、特効演出費、何百人にも及ぶ技術スタッフの移動・宿泊費が発生します。さらに、海外ツアーともなれば円安の影響による渡航費の高騰や現地の機材輸送費が重くのしかかり、興行収入の60%〜70%以上が経費として相殺されるケースも珍しくありません。
もう一つのポイントは、バンド内における配分構造です。ONE OK ROCKはメンバー間の信頼関係が極めて強固であり、演奏ギャラや基本的なライブ収益はメンバー4人で公平に分配される契約が結ばれているとされています。ただし、ワンオク ライブギャラ 内訳とは別に発生する「作詞・作曲の権利収入」に関しては、創作者であるTakaに権利が帰属します。これが、メンバー間での収入格差が生じる唯一かつ決定的な要因となっています。
また、彼らはすべての利益を個人所得として受け取っているわけではありません。「株式会社10969」という法人を通すことで、将来のツアー制作準備資金や海外プロモーション費として会社に利益を内部留保し、個人の税率をコントロールする高度な資産防衛を行っています。「売上総額」と「個人の可処分所得」を混同しては、彼らのリアルな経済実態を見誤ることになります。