物語最大の転換点となるのが、クイーンの出生にまつわるエピソードです。クイーンは幼少期から「自分はシルバーハートの孫娘」と信じて育ちましたが、これはシルバーハートが彼女を過酷な現実から守るためについた「優しい嘘」でした。
クイーンの真の正体は、かつてヨーロッパに存在した「エメラルド国」の正統なる王女(クイーン・エメラルド)です。彼女がまだ幼い頃、国家の秘宝を狙った悪の組織「クローバー・ドミニオン」の首魁プロフェッサー・Cの襲撃により王宮は炎上。実の両親である国王と王妃は命を落としました。
当時、宝を盗みに入っていたシルバーハートは、燃え盛る王宮の中で泣き叫ぶ幼いクイーンと遭遇します。彼は怪盗の掟を破り、財宝ではなく幼子を抱きかかえて脱出。以降、自らの本名を捨て、孫として愛情を注ぎながら育て上げたのです。
後にプロフェッサー・Cの陰謀により洗脳され、「シルバーハートこそが両親の仇」と記憶を塗り替えられたクイーンは、実の育ての親であるシルバーハートに刃を向ける悲劇に見舞われます。しかし、ジョーカーの命がけの説得と、シルバーハートが命を賭して示した無償の愛によって記憶を取り戻し、真の敵を打ち倒すに至りました。血縁関係を越えた「本当の家族の愛」を描いたこのエピソードは、アニメ・原作ともに最高峰の感動作として語られています。