スピードスケート選手としての高木菜那の成績は、日本スポーツ史において不滅の金字塔として刻まれています。1992年7月2日生まれ(北海道幕別町出身)の彼女は、高校卒業後に名門・日本電産サンキョーへ進み、世界の頂点へと駆け上がりました。
2018年平昌五輪では、女子チームパシュートで主将として金メダルを獲得しただけでなく、新種目マススタートでも巧みなレース運びを見せて優勝。日本女子選手として史上初めて1大会で2つのオリンピック金メダルを手中に収める快挙を成し遂げました。続く2022年北京五輪でもチームパシュートで銀メダルを獲得。決勝の最終コーナーでの転倒劇と、直後に妹・美帆や佐藤綾乃と抱き合って流した涙は、世界中のファンの胸を打ちました。
2022年4月の引退会見で語られた高木菜那の引退理由は、極めて明確でした。彼女は会見で「スケートに対して悔いは一切ない。すべてを出し切った」と語り、北京五輪を競技人生の集大成と位置づけていたことを明かしています。肉体の限界まで追い込み、世界の頂点に立ったからこそ下せた、迷いのない完全燃焼の決断でした。