では、なぜ「台湾は中国の一部なのか」という議論がこれほど激しく繰り返されるのでしょうか。その根源は、20世紀半ばに起きた激動の近現代史にあります。
かつて中国大陸を統治していたのは、1912年に孫文らが樹立した「中華民国」でした。第二次世界大戦後、中国大陸では蒋介石率いる国民党と、毛沢東率いる共産党による激しい内戦(国共内戦)が勃発します。
この戦いに勝利した共産党は、1949年10月1日に北京で「中華人民共和国」の建国を宣言しました。一方、敗れた蒋介石ら国民党政権は、日本統治から中華民国へ編入されていた台湾島へと逃れ、台北を臨時首都として体制を維持しました。これが、現在の台湾と中国が併存する歴史的出発点です。
注目すべき決定的な事実は、1949年の建国以来、中華人民共和国(北京政府)は台湾島を一秒たりとも実効支配したことがないという点です。中国共産党側は「台湾は中国の神聖な不可分の領土である」と主張し続けていますが、現実の統治権を行使した歴史的実績は一度も存在しません。