佐野清澄高校を語る上で欠かせない最大の強みが、厚生労働大臣指定の調理師養成施設として認可されている調理科の存在です。通常、高校を卒業してから調理専門学校に2年間通って取得するケースが多い「調理師免許」を、高校3年間の正規課程を修了するだけで、国家試験免除にて取得できる特権を持ちます。
実習室にはプロユースの大型厨房機器がずらりと並び、日本料理、西洋料理、中国料理、集団給食、製菓・製パンに至るまで各分野の第一線で活躍する特別講師陣が直接包丁の握り方から指導にあたります。在校生への取材からは「1年次から魚の三枚おろしや桂剥きを徹底的に叩き込まれ、放課後も自主練習に励む生徒が多い」「食材の下準備から片付けのスピードまで現場基準で鍛えられる」といった本格的な現場感が伝わってきます。
同校にはかつて家庭科教育の伝統を受け継ぐ「くらしの紀科(生活デザイン系)」が設置されていた歴史があり、衣食住を通じた人間教育の豊かなノウハウが現在のカリキュラムの土台として息づいています。単にレシピ通りに料理を作る技術だけでなく、公衆衛生学や食品衛生学、栄養学といった座学も高水準で課されるため、食のスペシャリストとしての責任感を多角的に養える環境が整っています。