「肌に優しいはずの製品を使っているのに、なぜか肌が赤くなりかゆみが増す」という悩みの根底には、洗浄成分が肌のバリア機能へ及ぼす影響への無理解があります。アトピー性皮膚炎の肌は、健常な肌に比べて角層内のセラミド(細胞間脂質)や天然保湿因子(NMF)が大幅に不足しており、わずかな外部刺激や水分の蒸発を防ぐ力が低下しています。
市販の一般的なボディソープに多用される「ラウレス硫酸Na」などの高級アルコール系陰イオン界面活性剤は、皮脂や汚れを素早く強力に落とす一方で、肌のバリアを担う貴重な角層脂質まで根こそぎ洗い流してしまいます。結果として洗浄直後から角層の水分蒸散量が跳ね上がり、神経線維が刺激されて激しいかゆみを生じさせます。
アトピー肌の悪化を防ぐ最大の鍵は、アミノ酸系弱酸性洗浄成分や両性界面活性剤(コカミドプロピルベタインなど)を主剤にした製品を選ぶことにあります。これらの成分は肌と同じ弱酸性(pH5.5前後)を保ちながら、不要な酸化皮脂のみを選択的に吸着し、肌本来の潤い構造を壊しません。洗浄成分の分子構造そのものを見直すことが、スキンケアの成否を分ける決定打となります。