この騒動がネット空間を席巻した直接のきっかけは、TikTokおよびX(旧Twitter)に投稿された一本のスマートフォン動画でした。機内の通路で乗客の女性が、安全確認のため巡回していた客室乗務員(CA)に対して使用済みのゴミを突き出し、受け取りを拒否された場面を切り取ったものです。
投稿者は「ゴミすら回収しない無能なCA」「客を不快にさせるゴミ女」といった過激なキャプションを添え、自身が理不尽なサービス拒絶を受けた被害者であるかのように主張しました。しかし、実際に動画内で交わされていたやり取りが明るみに出るにつれ、事態は投稿者の思惑とは真逆の方向へ急速に傾いていきます。
動画の音声や前後の状況証拠から判明したのは、当時機体はすでに最終の着陸態勢に入っており、CAは着陸前のシートベルト着用や荷物の収納状況を確認する「安全確認業務」の真っ最中だったという事実です。航空法および社内保安基準により、離着陸時の乗務員は安全業務以外の作業を行うことが厳格に禁じられています。CAが「恐れ入りますが、着陸準備のため回収いたしかねます。手元にお持ちいただくか、降機時に出口のゴミ箱へお願いいたします」と冷静に説明したにもかかわらず、乗客は執拗に食い下がり、スマートフォンを向けて挑発的な暴言を吐いていたのです。
動画が公開されると、「CAは掃除係ではない」「保安要員の邪魔をするな」といった批判が投稿者へ殺到。自分を正当化しようとした投稿者が、ネット民によって逆に「真の迷惑客(マナーを守れないゴミのような乗客)」と認定され、「飛行機 CA ゴミ女」というスラングとともに大炎上する皮肉な結末を迎えました。