抗議運動の場において、旭日旗はナチス・ドイツの象徴である「ハーケンクロイツ(鉤十字)」と同列の「戦犯旗(War criminal flag)」であると海外に向けてアピールされるケースが目立ちます。しかし、歴史的・社会学的な比較を行うと、この2つには決定的な違いが存在します。
ハーケンクロイツは、ナチズムという特定の人種差別主義政党が掲げた政治的シンボルであり、政権獲得後に国旗として指定されたものです。一方、日本の旭日旗は特定の政党や全体主義イデオロギーのために作られたものではなく、古くからの太陽信仰と吉兆の意匠が軍旗や民間に広く流用されたという経緯を持ちます。軍旗としての歴史よりも、民俗的な祝意のシンボルとしての歴史の方がはるかに長いのです。
こうした状況を受け、日本政府も公式な対外発信を強化しています。外務省の旭日旗見解では、日本語のみならず英語・フランス語・スペイン語・中国語・韓国語など多言語による特設ページや動画を公開。「旭日模様は日本国内で長年親しまれてきた文化的な意匠であり、軍国主義の宣伝物ではない」「国際社会において広く受け入れられている」という客観的事実を明文化しています。
実際の国際社会における現在の扱いを見ても、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、東南アジア諸国などでは、自衛艦旗としての旭日旗は完全に合法的な軍艦旗として認識されています。米海軍をはじめとする各国軍との共同訓練(日米豪印の「マラバール」や環太平洋合同演習「リムパック」など)においても、海自艦艇は常に旭日旗を翻揚しており、抗議やトラブルが生じることはありません。