贅沢とは何か。広大なスイートルームに籠もることだけが贅沢ではない。敷地内の芝生エリアに整然と並ぶ木製モバイルハウス「住箱 -JYUBAKO」の扉を開けると、その答えが静かに腑に落ちる。これもまた隈研吾とスノーピークが共同開発した、車輪のついた小さな建築だ。
無駄な装飾を徹底的に削ぎ落としたミニマルな木質空間。窓枠いっぱいに切り取られるのは、朝靄に煙る北アルプスの山麓である。近年ブームが定着したグランピングだが、ここは単なる豪華キャンプの枠組みを軽々と飛び越える。野営本来の心地よい緊張感と、ホテルクオリティの快適さ。一休.comなどの予約サイトで週末の枠が一瞬で埋まる理由は、ベッドに横たわりながらにして大自然とひとつになれる、この唯一無二の滞在性にある。