メディアによる「猫じゃない」報道がなされた直後、国内外のファンコミュニティではどのような反応が起きていたのでしょうか。大手掲示板やSNS、知恵袋などに蓄積された当時の膨大な投稿ログを検証すると、驚きとともに興味深い心理的プロセスが見て取れます。
日本国内のSNS上では、「子どもの頃から40年以上、何の疑いもなく白い子猫だと思い込んでいた」「名前に『キティ(子猫)』と付いているのに猫じゃないなんて反則だ」という困惑の声が溢れました。特に、丸い顔に猫耳、そして左右に生えた3本ずつのヒゲという視覚的記号は、誰もが「ネコ科の生物」を直感的に連想するのに十分すぎる説得力を持っていたからです。
しかし、感情的な混乱が一巡した後に広がったのは、公式設定に対する深い納得と賞賛でした。サンリオピューロランドに通い詰める熱心なファンや長年のコレクターたちからは、「サンリオショップでお買い物したときに貰える『いちご新聞』を読んでいれば、キティちゃんが普通の女の子として生活しているのは周知の事実」「学校に通って宿題をし、家族と食卓を囲む姿をずっと見てきたから、今さら驚かない」という冷静な証言が次々と投稿されたのです。
公のイベントでキティが見せる優雅な身のこなしや、ファン一人ひとりと真摯に視線を合わせてハグを交わす姿は、まさに愛育されるマスコットではなく、人格を宿した「自立した友」そのものです。現場で彼女に触れてきた人々ほど、「彼女は猫ではなくキティちゃんという一人の女の子である」という事実を、理屈ではなく実感として受け止めていたことが浮き彫りになりました。