メディアが報じる「氷の微笑」「冷徹な独裁者の妹」というイメージは、果たして彼女の全面的な本質なのでしょうか。現場取材と関係者の証言からは、極度の重圧と繊細な神経を併せ持つ素顔が浮かび上がってきます。
現場の外交官や特派員が目撃した彼女の振る舞いには、明確な変遷があります。2018年の平昌冬季五輪で韓国を訪問した際、彼女は顎をわずかに上げ、韓国の政府高官を見下ろすような毅然とした態度を崩しませんでした。しかし翌2019年、ベトナム・ハノイで開催された米朝首脳会談の現場では、列車が停車した中国の駅のホームで、タバコを吸う金正恩氏の傍らに駆け寄り、クリスタルの灰皿を両手で捧げ持つ姿が海外メディアのカメラに捉えられました。
脱北者コミュニティや元高官の手記では、この「灰皿持ち」の姿こそが平壌の真実であると語られています。元北朝鮮外交官の証言によると、「彼女はどれほど権力を持とうとも、兄の機嫌を損ねれば即座に破滅するという恐怖を誰よりも理解している。だからこそ、現場では側近中の側近として最も泥臭い雑用を完璧にこなして忠誠を示している」といいます。
一方、日本のネット空間やSNS(X・5ちゃんねる等)における世論を検証すると、彼女に対する眼差しは独特の二面性を持っています。
「冷酷な発言ばかりだが、演説の間の取り方や立ち居振る舞いは異様なカリスマ性がある」
「あれだけ激しい言葉を使うのは、平壌中枢の男社会の中で生き残るための虚勢ではないか」
「日本に対する発言がコロコロ変わるのは、北朝鮮国内が経済的に相当追い詰められている証拠だ」
ネット上の観察眼が指摘するように、彼女の過激な言動は揺るぎない自信の表れであると同時に、男尊女卑の根強い北朝鮮社会において「白頭の血統」という唯一の武器を盾に、命がけで自らの居場所を守り抜くための生存闘争であるとも解釈できます。