役柄と本人の人間性が密接に結びつくサスペンスドラマやヒューマンドラマの現場において、役者の私生活やSNSでの言動が作品の没入感を削いでしまうリスクは常に存在する。重厚な世界観を構築しようとする監督やスタッフにとって、キャストの余計なノイズは最大の敵となり得るからだ。
だが一方で、狂気や深い哀しみを表現するためには、役者の内面にある荒々しいエネルギッシュさが不可欠でもある。演出家の一人は「綺麗事だけでは人の心を揺さぶる演技は生まれない。炎上するほどの強烈な自我を持っているからこそ、スクリーンで唯一無二の輝きを放つのだ」と語る。表現者としての鋭利な感性と、社会的なコンプライアンスとの間で揺れ動く葛藤は、現在のドラマ制作現場が抱える共通のテーマでもある。