プロ野球のオフシーズンを飾る恒例の風物詩となった契約更改。つば九郎の年俸交渉は、球団幹部との間で繰り広げられる本格的な心理戦の様相を呈している。「ヤクルト1000飲み放題」や「神宮球場の生ビール半額権」、さらには「推定年俸数万円+出来高」といった突飛な要求が世間を賑わせるが、この劇場型パフォーマンスには球団経営側の緻密な計算が隠されている。
グッズ売り上げへの貢献度はチーム随一。冠イベントの動員力やスポンサー契約への波及効果を含めれば、一人の主力選手に匹敵する莫大な経済価値を生み出しているのは公然の事実だ。それにもかかわらず、査定の席で球団側があえて「他球団マスコットへの浮気疑惑」や「奔放な言動」を理由に保留を突きつけ、つば九郎が悲壮感漂う記者会見を開く。この一連のドラマは、オフのメディア露出を極大化させ、ファンのエンゲージメントを保ち続けるための高度なブランディング戦略なのだ。