日本の政治界では、近年世襲政治家に対する風当たりが強まっている。親から地盤・看板・鞄を引き継ぐ二世・三世議員に対して、公平性や多様性の観点から厳しい視線が注がれるのは今や日常の光景だ。過剰な世襲の連鎖が政治の固定化を招いているという指摘は絶えない。
NHKニュースなどの報道番組でも、自民党内の世襲比率の高さや政治資金の承継を巡る論争が度々取り上げられてきた。首相官邸に入った歴代首相の中でも、岸田氏は三世政治家としての代表格と見なされることが多かった。
しかし、単なる「親の地盤の引き継ぎ」という解釈だけでは、永田町に張り巡らされた血縁ネットワークの本質を見誤る。血縁を通じた人脈形成は、政権運営における安定感や党内調整力というメリットをもたらす一方で、新陳代謝を阻害するという二面性を抱え続けている。