大谷育江の現場復帰は、ファンのみならず制作陣にとっても悲願であった。原作者である尾田栄一郎は、チョッパーの声に対して強いこだわりを持っていたことで知られる。原作の連載当初、チョッパーはマスコット的な可愛さよりも無骨なトナカイとしての側面が強く描かれていた。しかし、大谷育江の演じる愛くるしいボイスを聴いた尾田栄一郎が、キャラクターの方向性をよりキュートな路線へとシフトさせたという逸話は有名だ。
無事に現場へ戻った大谷育江のチョッパーボイスは、以前にも増して力強く、キャラクターに豊かな命を吹き込んだ。少年漫画というジャンルにおいて、キャラクターの声が作者の作画やストーリー展開にまで影響を与えた稀有な例であり、大谷育江の存在がいかに不可欠であったかを物語っている。