「ストロベリームーン」という名から、月そのものがピンク色に発光していると錯覚しがちだ。しかし、その正体は光の物理現象である。夏至の前後、太陽の軌道は最も高くなり、その反対側に位置する満月の軌道は一年で最も低くなる。
天文学の視点から紐解くと、波長の短い青い光は大気中で散乱して消え、波長の長い赤い光だけが私たちの瞳に届く。17世紀に望遠鏡を夜空へ向けたガリレオ・ガリレイも、この地平線付近における天体の色彩変化に深い関心を寄せていた。大気の厚みが作り出す自然のレンズが、今夜限りのロマンチックな色彩を生み出すのだ。