栗原のキャリアを象徴するのは、ジャンルの壁を軽々と跳び越える柔軟性だ。息をのむような危険なアクション映画の殺陣から、緻密な心理描写が要求されるサスペンス映画の静かな対峙まで、どのような世界観にも瞬時に適応してみせる。肉体を限界まで追いつめるスタントシークエンスでも、代役を立てずに自ら挑むストイックさが評価を高めている。
元々、日本の映画演劇界で培った基礎体力と舞台で研ぎ澄まされた空間把握能力が、海外のハードな撮影現場で大きな強みとなっている。恐怖や焦燥感、そして内に秘めた狂気までをもリアルに演じ分ける彼女の存在は、サスペンスの緊張感を最高潮へと引き上げる。まさに観客の感情を自由自在に揺さぶる稀有なアクターと言えるだろう。