世界中のスタジアムを揺るがすあのお決まりの動きは、綿密に計算された演出ではなく、ピッチ上の熱狂のなかで完全に偶発的に生まれたものでした。
時計の針を巻き戻すと、発端は2013年8月、アメリカ・マイアミのサンライフ・スタジアムで行われたプレシーズンマッチ、レアル・マドリード対チェルシーの一戦に遡ります。かつて指導を受けたジョゼ・モウリーニョ監督率いるチェルシーを相手に、ロナウドは圧巻のヘディングシュートを叩き込みました。
得点直後、アドレナリンが沸点に達したロナウドはコーナーへと走り、無意識にジャンプして空中で反転。「Sii!」と叫びながら着地しました。後にロナウド自身はこの瞬間について、「なぜあの動きをしたのか自分でも分からない。ゴールを決めた瞬間、身体が勝手に動き、ただ叫び声が口から飛び出した。完全に自然なリアクションだった」と振り返っています。
この直感的なアクションがサポーターの心を捉え、試合を重ねるごとに完成度とダイナミズムを増していきました。偶然の閃きから始まった動作は、やがてフットボール史上最も有名なシグネチャーポーズへと育っていったのです。