サザン「栞のテーマ」歌詞の真相と切ない意味|誕生秘話と名作の軌跡

サザン「栞のテーマ」歌詞の真相と切ない意味|誕生秘話と名作の軌跡

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熱心なファン以外にはあまり知られていない事実として、タイアップ作品に関する「記憶の混同」が挙げられます。インターネット上のレビューやQ&Aサイト等では、「映画『彼女が水着にきがえたら』(1989年公開、ホイチョイ・プロダクションズ製作)の主題歌として初めて作られた曲」と誤認しているケースが散見されます。

実態としては、前述の通り1981年の『モーニング・ムーンは粗末に』がオリジナルです。それから8年後、マリンリゾートブームを牽引した映画『彼女が水着にきがえたら』の挿入歌として再び大々的に使用されたことで、バブル期の若者層に「サザン=夏の海」の決定打として再刷り込みされたという経緯があります。このリバイバル的ヒットが、曲の寿命を決定づけました。

さらに文化的影響を示す象徴的なエピソードが、実力派女優・貫地谷しほりさんの命名秘話です。彼女の母親が熱狂的なサザンオールスターズのファンであり、「栞のテーマ」に感銘を受けたことから「しほり」と名付けられたことは、テレビ番組のトークやインタビュー本人の口からも明かされています。1つのポップソングが、人の一生を背負う名前にまで結晶化する――これこそが、桑田メロディの持つ類まれな浸透力を裏付けています。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。