いしかわ総合スポーツセンターが果たした歴史的役割を語るうえで、避難所運営の経緯は避けて通れません。いしかわ総合スポーツセンター 避難所経緯と現在を時系列で辿ると、公設複合スポーツ施設が持つ危機管理インフラとしての驚異的なポテンシャルが浮き彫りになります。
発災直後、石川県は同センターを、高齢者や障がい者、妊産婦といった特に配慮を要する被災者が、金沢市以南の旅館・ホテル等の2次避難所へ移る前の一時滞在拠点(1.5次避難所)に指定しました。最大時で数百人規模の要支援者を受け入れ、DMAT(災害派遣医療チーム)や自衛隊、全国からの保健師、福祉関係者が集結。館内には24時間体制の医療救護所、福祉アセスメントエリア、仮設入浴設備、さらには感染症対策の陰圧テントまでが機能的に配置されました。当時、現地で支援にあたった医療関係者は「空調設備、天井高、搬入動線のすべてが揃ったこの巨大アリーナがなければ、災害関連死のリスクはさらに跳ね上がっていたはずだ」と当時の過酷な現場を振り返ります。
仮設住宅の建設や2次避難の進展に伴い、役目を終えた同センターは速やかに閉鎖され、専門業者による念入りな燻煙消毒、床面の張替え・研磨、空調フィルターの全面刷新などの原状回復プロセスが実行されました。「一時的な利用休止を経て、施設は震災前よりもクリーンな環境に整えられた」と関係者が語る通り、現在ではアスリートから一般のシニア層までが安心して汗を流す、石川県随一のウェルネス拠点として力強く再稼働しています。