フェンダーが推し進めるコラボレーションの矛先は、もはやアニメやゲームの領域だけに留まりません。2023年夏にオープンした東京・原宿の「Fender Flagship Tokyo」は、その戦略的転換を如実に物語っています。
ストリートファッションの中心地である原宿という立地を最大限に活かし、マスターマインド・ジャパン(mastermind JAPAN)やウィンダンシー(WIND AND SEA)といったハイエンドストリートブランドとのアパレルカプセルコレクションを次々にドロップ。ギター本体だけでなく、Tシャツ、フーディー、ギターストラップ、ピックケースに至るまで、ライフスタイル全般を網羅するプロダクトを展開しています。
このアパレル戦略について、ファッションビジネスに詳しいカルチャーライターは次のように分析します。
「フェンダーが目指しているのは、単なる楽器メーカーではなく、ハーレーダビッドソンやフェラーリのような『ライフスタイル・カルチャーアイコン』への昇華です。ギターを弾かない層であっても、フェンダーのロゴや世界観を身に纏うことに価値を見出す。このブランド拡張こそが、結果としてギター本体の限定コラボレーションにもプレミアムなオーラを与え、所有欲を刺激する好循環を生み出しています」