ドイツ音名一覧と読み方早見表|なぜBでなくH?歴史の謎を解明

ドイツ音名一覧と読み方早見表|なぜBでなくH?歴史の謎を解明

ドイツ音名一覧と読み方早見表|なぜBでなくH?歴史の謎を解明の疑問点について、専門知識を取りまとめてご紹介します。

音楽のジャンル横断が進む昨今、もっとも警戒すべきトラブルが「ポップス・ジャズ・DTMの現場」と「クラシック・吹奏楽の現場」が交差する瞬間に起こる音名クラッシュです。

英語圏のコード進行における「B」は、誰もが知る通り「シ(ドの半音下)」です。ところが、吹奏楽出身者が楽譜を見ずに口頭で「ここのベースライン、Bで伸ばしてください」と指示を出した場合、吹奏楽出身者は無意識に「シ♭」を弾き、ポピュラー畑のベーシストは疑いなく「シ♮」を鳴らします。結果として半音の強烈な不協和音が鳴り響き、現場が一瞬で凍りつく事態に発展します。

表記・呼称指し示す実音(ピアノの鍵盤)主に使用される音楽ジャンル現場での事故防止フレーズドイツ音名の「B(ベー)」シのフラット(B♭ / 黒鍵)クラシック、吹奏楽、オーケストラ「ドイツのベー(シ♭)です」英語音名の「B(ビー)」シのナチュラル(B♮ / 白鍵)J-POP、ロック、ジャズ、DTM「英語のビー(シのナチュラル)です」ドイツ音名の「H(ハー)」シのナチュラル(B♮ / 白鍵)クラシック、吹奏楽、音大受験実技「ハー(シのナチュラル)です」

ネット上の音楽講座では「B♭のことをドイツ語でB(ベー)と呼ぶ」と解説されるケースが散見されますが、これは厳密には主客が逆です。ドイツ音名体系において、Bという文字自体が最初から「シ♭」を表す固有名称であり、そこに「フラットを付けた」わけではありません。この構造を理解していないと、ドイツ音名に無理やりフラットを重ねて「Bes(ベス=重変ロ、シのダブルフラット)」と混同する致命的な誤解を生むことになります。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。