今大会のレギュレーションに関して、ネット上で広く散見される誤解が「3位でも通過できるから決勝トーナメント進出は容易になった」という楽観論です。しかし、フットボールジャーナリズムの観点から現場を精査すると、そこには2つの危険な盲点が潜んでいます。
第一の盲点は、グループ3位で辛うじて滑り込んだ場合、ワールドカップ対戦カード組み合わせにおいて他組の圧倒的な首位チーム(FIFAランク最上位勢)とラウンド32でいきなり激突する点です。さらに、3位通過チームは対戦相手と試合会場が全グループの日程終了まで確定しないため、事前の移動手配や戦術スカウティングの準備期間が極端に削られます。
第二の盲点は「移動距離と時差ボケ」の甚大さです。北米共催では、バンクーバーからメキシコシティまで直線距離で約4,000km、時差にして最大3時間の開きがあります。現地特派員の取材によると、前哨戦となるテストマッチでも「時差調整と標高差(メキシコの高地環境など)によるフィジカル消耗はカタール大会の比ではない」と複数の関係者が指摘しています。単に日程表を眺めるだけでは見えてこない「コンディショニング格差」が、勝負の明暗を分ける決定的ファクターとなるのです。