周産期医療の標準化が進んだ現在、会陰切開の縫合には体内で自然に吸収される「吸収糸(溶ける糸)」が広く採用されています。そのため、かつてのように全員が退院前に抜糸を行う病院は減少傾向にあります。
しかし、ここで知っておくべき盲点が存在します。吸収糸が完全に分解・吸収されるまでには数週間から数か月の時間を要するため、傷口のむくみが引くにつれて、結び目(ノット)が皮膚に強く食い込み、チクチクとした鋭い痛みやつっぱり感を引き起こすケースが多発しているのです。
助産師外来の相談記録でも、「溶ける糸だからと我慢していたが、退院診察で糸を切ってもらったら痛みが嘘のように消えた」という声が多数報告されています。気になる会陰切開の抜糸の痛みについて、多くのママは「眉毛を毛抜きでピッと抜かれた程度の感覚」「一瞬チクッとするだけで、その後の解放感の方が圧倒的に大きい」と語っています。入院中につっぱり感で眠れないほどの苦痛がある場合は、「溶ける糸だから抜糸はしない」という固定観念を捨て、回診の産婦人科医に抜糸の可否を相談してみる価値は十分にあります。