地域独自の風土や信仰と結びつき、特有の音階(ペンタトニックスケールなど)と質感を育んできた伝統楽器の数々。西洋近代楽器とは異なるアコースティックな魅力を持っています。
和楽器の名前と特徴(日本の伝統美)
- 三味線(しゃみせん):棹(さお)の太さにより「細棹(長唄)」「中棹(地唄・小唄)」「太棹(津軽三味線)」に分かれます。太棹による撥(ばち)を叩きつけるような打撃音と「サワリ」と呼ばれる独特の倍音ノイズが特徴です。
- 箏(こと/そう):桐の胴に13本(現代では17本や25絃も)の弦を張り、柱(じ)を立てて調弦する撥弦楽器。右手の親指・人差し指・中指に義甲をはめて演奏します。
- 尺八(しゃくはち):真竹の根元を使って作られる縦笛。標準的な長さが一尺八寸(約54.5cm)であることが名前の由来。「首振り三年」と言われるほど微妙な顎の角度でピッチと息混じりの音色(ムラ息)を制御します。
- 雅楽器(笙・篳篥・龍笛):1400年以上の歴史を持つ世界最古の合奏音楽「雅楽」を支える三管。笙(しょう)は「天から差し込む光」、篳篥(ひちりき)は「地上に生きる人の声」、龍笛(りゅうてき)は「天と地を往来する龍の鳴き声」を象徴します。
世界の民族楽器一覧(地球の音響遺産)
- オセアニア:
- ディジュリドゥ(オーストラリア):先住民アボリジニがシロアリに食い荒らされて空洞になったユーカリの木から作る世界最古の管楽器。循環呼吸による持続的な重低音を響かせます。
- アジア:
- 二胡(中国):2本の弦の間に弓を通し、ニシキヘビの皮を張った小さな共鳴胴で奏でる擦弦楽器。人間の歌声に最も近いと言われる哀愁の響きが特徴。
- シタール(インド):多数の共鳴弦と移動式フレットを持つ大型弦楽器。ビートルズのジョージ・ハリスンが導入したことで西洋ポップスにも浸透しました。
- 中東・ヨーロッパ:
- ウード(アラブ世界):リュートやギターの直接の祖先にあたるフレットレスの撥弦楽器。「アラブ音楽の女王」と称されます。
- バグパイプ(スコットランド等):空気袋(バッグ)に溜めた息をリード管に送り込み、息継ぎなしで連続音を鳴らし続ける気鳴楽器。
- 中南米・アフリカ:
- スティールパン(トリニダード・トバゴ):ドラム缶の底を叩き出して音階を作った20世紀最後の音響発明楽器。澄んだトロピカルな響きを放ちます。
- カリンバ(アフリカ各地):親指ピアノとも呼ばれ、木箱に並んだ金属の細い板を親指で弾くオルゴールのような癒しの楽器。