消費者の間で長年信じられてきた「除湿=省エネ」という通説には、大きな誤解が含まれています。ドライと冷房どっちが安い理由を突き詰めると、自宅のエアコンが採用している除湿方式が「弱冷房除湿」なのか「再熱除湿」なのかという点に行き着きます。
現在市販されているエアコンの除湿機能は、主に以下の2系統に大別されます。
- 弱冷房除湿:水分を除去した冷たい空気をそのまま室内に戻す方式。微弱な冷房をかけ続けている状態に近いため、室温はわずかに下がりますが、消費電力量は最も少なくなります。
- 再熱除湿:冷やして水分を絞り取った空気を、エアコン内部のヒーターや排熱を利用して「温め直してから」室内に戻す方式。部屋が冷えすぎないメリットがある反面、冷やす電力に加えて温めるエネルギーを消費します。
再熱除湿の電気代が高い真相は、まさにこの「一度冷やした空気をわざわざ温める」という二重のエネルギー消費にあります。一般的な電気料金単価(1kWhあたり約31円換算)で試算した場合、弱冷房除湿は1時間あたり約4〜6円で済むのに対し、再熱除湿は1時間あたり約15〜22円に達し、通常の冷房運転(約10〜14円)を明確に上回ります。