彼が突然この世を去ってから、日本のバラエティ番組は大きな転換期を迎えた。コンプライアンスの強化や自主規制の波の中で、かつてのような破天荒なコントを作ることは難しくなっている。テレビ局の関係者は「志村さんのような規格外のコメディアンは、もう二度と現れないだろう」と肩を落とす。だが、テレビという枠組みが狭まった一方で、ネットという広大な海が彼の遺産をすくい上げた。
彼が遺したギャグは、もはや個人の所有物ではなく、共有財産に近いものとなっている。誰が使ってもいい、誰が真似してもいい。その寛容さこそが、彼の笑いが死後も生き続ける理由なのだ。模倣され、改変されながら、志村けんの魂は形を変えて生き続けている。