なぜこれほどまでに、標高の高い場所に位置する滞在施設が注目を集めているのだろうか。背景には、世界的な旅行トレンドの変化がある。単に観光地を効率よく巡るだけの旅から、手つかずの圧倒的な自然の中で自分自身を取り戻すリラクゼーションへのシフトだ。険しい岩場を登るスリルだけでなく、絶景の中で上質なホスピタリティを楽しむ「ラグジュアリー・ハイキング」が定着しつつある。
古くから修験者や登山者を支えてきた日本の山岳地帯には、独自の文化が根付いている。そこに近年のモダンな建築美学とサステナビリティが融合することで、世界基準の山岳リゾートへと進化を遂げた。自家発電や高度なバイオトイレといったインフラの飛躍的進化も、この上質な滞在を裏からしっかりと支えている。