谷口信輝選手の歩んできた足跡は、いわゆる名門レーシングスクールやカート出身のエリートドライバーとは一線を画す、完全なストリートからの下克上ストーリーです。谷口信輝の年齢や詳細なプロフィールを振り返ると、その特異なキャリアが際立ちます。
広島県出身の谷口選手は、当初ミニバイクレースで頭角を現したのち、峠道でのドリフト走行に情熱を注ぎました。腕一本で上京した彼は、チューニングカー業界のパイオニアたちと出会い、2001年に開幕した「D1グランプリ」の記念すべき初代シリーズチャンピオン(HKS S15シルビア)に輝きます。「ドリフトの谷口」として瞬く間に全国のクルマ好きの憧れの的となりました。
しかし、当時の日本のモータースポーツ界には「ドリフト出身者に本格的なグリップレースは無理だ」という根強い偏見が存在していました。谷口選手はその逆境を跳ね返すべく、スーパー耐久や全日本GT選手権(現SUPER GT)に挑戦。非凡なドライビングセンスと緻密な理論派の走りで結果を出し続け、カテゴリーを問わず勝てる本物のレーシングドライバーであることを証明してみせたのです。