恐山といえば「イタコ」の存在を連想する人も多いだろう。盲目の女性口寄せ巫女が故人の霊を口寄せする伝統儀式は、高齢化により担い手が激減し、希少な文化遺産となりつつある。
毎年7月の「恐山大祭」や10月の「恐山秋詣り」の時期には、今なおイタコのテントの前に長い行列ができる。しかし、近年の探訪者が求めるのは単なる好奇心や悲しみだけではない。故人を通じて己の生き方を見つめ直し、喪失感を癒やそうとする精神的な対話の場として、その価値が再認識されているのだ。時代の変化の中で変わりつつも、変わらない祈りの原形がそこにある。