本作を語る上で欠かせないのが、最大のライバルであるスアの運命です。美来を精神的に追い詰めようと画策を続けたスアですが、その歪んだ承認欲求の裏には、幼少期に母親から受けたネグレクトと容姿でしか自己価値を見出せない深いトラウマが横たわっていました。
終盤、スアは執着心を持ったストーカー男性から薬品をかけられそうになる凶行に巻き込まれます。危機一髪のところで美来と慧に救出されたものの、彼女がこれまで築き上げてきた「完璧な清純派」の仮面は完全に崩壊。美来から「あなたの顔は綺麗だけど、私はあなたのようになりたいとは思わない」と本質を突かれ、スアは初めて自分の虚しさと向き合うことになります。
事件後、スアは自慢だった長い黒髪を自らばっさりと切り落とし、大学を休学。美貌で男を操る生き方を捨て、自分自身の力で立ち上がるために新たな一歩を踏み出すという、苦味を含みつつも希望を感じさせる結末を迎えました。