現在、動物病院で行われている慢性腎臓病の治療は、処方食によるタンパク質やリンの制限、皮下輸液による脱水の補正、血圧降下薬の投与といった「延命と症状緩和」が主軸である。これらは失われていく腎機能を少しでも長持ちさせるための時間稼ぎに過ぎなかった。
対してAIM治療は、病気の元凶である「老廃物の詰まり」を直接取り除く点において根本的に異なる。目詰まりが解消されることで、まだ破壊されていない健全なネフロンへの過度な負担が軽減され、腎機能の低下スピードが劇的に鈍化するのだ。
研究者らの試算によれば、幼少期からの定期的な投与や早期治療の介入が実現した場合、猫の平均寿命は現在の約15歳から、理論上30歳近くまで延びる可能性があるという。まさにペット医療の歴史を塗り替えるパラダイムシフトである。