ネット上のQ&Aサイトや古いマナー本を参照した参列者が、最も頻繁にやらかしてしまうのが「表書きのインクの色」と「名目」の取り違えです。葬儀の常識をそのまま七回忌に持ち込んでしまうと、かえって恥をかくことになります。
代表的な誤解が七回忌香典薄墨黒墨の使い分けです。「香典といえば薄墨」と思い込んでいる人が後を絶ちませんが、薄墨を使用するのは「突然の訃報に涙で墨が薄まった」「急ぎ駆けつけたため墨を十分にすれなかった」という意味が込められた通夜・告別式、四十九日前の法事に限られます。あらかじめ期日が決まっており、入念に準備して参臨する七回忌法要で薄墨を使うのは明確なマナー違反です。表書き・中袋ともに、濃い黒墨の筆ペンまたは毛筆を用いて力強く丁寧に記入します。
さらに致命的なミスが七回忌御仏前御霊前違いです。仏教の一般的な教義(浄土真宗を除く多くの宗派)において、故人は没後四十九日を境に霊から「仏」へと成仏します。したがって、満6年が経過した七回忌で「御霊前」を用いるのは不適切極まりなく、仏教の死生観に反することになります。七回忌ののし袋には必ず「御仏前」または「御佛前」と書かれたものを選び、宗派を問わず使える無難な選択肢としては「御供物料」が挙げられます。
また、七回忌のし袋水引マナーにも注意を払う必要があります。水引は「二度と繰り返さない」という意味を持つ「結び切り」または「あわじ結び」を用います。配色は関東圏で一般的な「白黒」、または法要で広く用いられる「黄白」や「双銀」が適しています。包む金額が1万円程度であれば略式の印刷水引の封筒でも構いませんが、3万円以上を包む場合は本物の水引が掛けられた高級感のある不祝儀袋格を選択するのが調和を保つポイントです。
💡 お札の入れ方に関する決定的なルール
七回忌香典お札の入れ方では、新札を使うべきか否かで迷う人が多いですが、七回忌は予定された法事であるため「新札」を入れてもマナー違反にはなりません。ただし、極端にピカピカの新札に抵抗がある旧来の親族がいる場合は、新札に軽く一度折り目をつけてから包むのが最も無難です。お札の向きは、封筒の表(御仏前と書かれた面)に対して、お札の肖像画が裏側かつ下側を向くように揃えて入れるのが正しい弔事の作法です。