名言として美しい一方で、ビジネスの現場で「やってみせ」を実践しようとして失敗する管理職も少なくありません。SNSや企業アンケートに寄せられる生の声を分析すると、共通する課題が浮き彫りになります。
「プレイングマネージャーとして自分の業務に追われ、部下の前で実演して見せる(やってみせる)時間を確保できない」
「『褒めて伸ばす』を意識しすぎて、必要な規律や課題の指摘が甘くなり、部下が成長痛を乗り越えられない」
「『任せる』のさじ加減が難しく、結果的にマイクロマネジメントに逆戻りしてしまう」
現場の実態から見えてくるのは、部下指導における「信頼」と「丸投げ」の履き違えです。山本五十六の教えの本質は、放任することではなく「感謝で見守る」というバックアップ体制の維持にあります。失敗した際の責任は上司が引き受けるという防波堤があるからこそ、部下は思い切って挑戦できるのです。