ネット上の質問サイトやSNS上では、妊活期から臨月期にかけて「子宮口自分で確認方法」や「福さん式子宮口触り方」と呼ばれる自己触診法がまことしやかに語り継がれています。元助産師の経験談をベースにしたとされるこの俗説は、「膣の奥にある丸い突起(子宮頸部)を指で触り、その硬さや開き具合で排卵日や出産の進行を測る」というものです。
好奇心や焦りから「お風呂場で手を洗って試してみた」「指先が入ったから1センチ開いているかもしれない」といった書き込みが散見されますが、結論から言えば、一般人が自分で子宮口の開き具合を正確に測ることは医学的に不可能です。
膣は奥に向かって緩やかにカーブしており、非妊娠時でも約7〜10cmの奥行きがあります。妊娠後期には胎児の下降に伴って子宮頸部の位置が後方から前方へと劇的に変化するため、解剖学の訓練を受けていない素人が指先で正確に子宮口をとらえることはできません。触れているものが子宮膣部なのか、膣壁のひだなのか、あるいは直腸側の壁なのかすら判別できず、誤った自己診断で不要なパニックに陥るケースが多発しています。