佐野元春の隣で歩みを共にしてきた女性の存在は、長年にわたりファンの間で語り草となってきた。一般女性である彼女の素顔について、本人の口から派手に語られる機会は皆無に等しい。だが、関係者の証言を辿ると、激動の創作活動を静かに支え続ける確かなパートナーシップが浮かび上がる。
ツアーの過密日程やスタジオでの極限の集中。アーティストが心身を削って音を紡ぎ出す現場において、家庭というパーソナルな空間は何よりも侵されざる休息の場でなければならない。華美な社交界とは一線を画し、健康管理や精神面での穏やかな土台を整える伴侶の存在。それこそが、彼が年齢を重ねてもなお衰えぬヴォーカルとソングライティングの切れ味を維持できる最大の原動力となっている。