ネット上では「違法行為による営業停止処分を受けたのではないか」「経営難で突然夜逃げ同然に閉めたのではないか」といった根拠のない噂が囁かれることがありますが、これらは明確な事実無根のデマです。
マリオン十番町店が営業終了を選択した背後には、遊技業界全体を直撃した構造的な問題が存在します。決定的な要因となったのは以下の3点です。
第一に、設備投資コストの急激な肥大化です。パチンコ業界では2022年後半からスマスロ、2023年以降はスマパチの普及が本格化しました。スマート遊技機を導入するためには、台本体の代金(1台あたり約40万〜50万円)に加え、専用のデータユニットや配線工事など、1島ごとに数百万〜数千万円規模の莫大な設備投資が求められます。
第二に、2024年7月に実施された新紙幣発行への対応コストです。各遊技台に設置されている千円札サンドや両替機、精算機を一斉に改修・更新する必要が生じました。1店舗あたり数百万円から1千万円規模の支出が強制される中、設置台数規模が中規模である十番町店にとって、投資回収の見通しを立てることは極めて困難でした。
第三に、マリオングループの「選択と集中」戦略です。グループ全体として限られた資本と新台の割り当て台数を、郊外型のメガ店舗や主力旗艦店へ集中させる経営判断が下されました。老朽化した中小店舗に巨額の延命投資を行うよりも、収益性の高い大型店舗にリソースを集中投下することは、現代の企業防衛において極めて合理的かつ冷徹な判断であったと言えます。