ネット上でなぜこれほど噂が膨らみ続けたのか、コミュニティの生の声と現場の取材をもとに検証を進めると、現代の情報流通における「空白恐怖症」とも呼べる心理構造が浮かび上がってきます。
5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)やYahoo!知恵袋のログを遡ると、「名前を見かけたが誰なのか教えてほしい」という純粋な疑問の投稿に対し、「たぶん〇〇の関係者だろう」「昔ベンチャーで名前を聞いたことがある」といった不確定な推測がリプライとして連鎖しています。やがてその推測がまとめサイトに「〜という噂も?」という形で転載され、それが再び検索エンジンにインデックスされることで、実体のない虚像が事実のように固定化されていきました。
スポーツメディアのデスクは次のように語っています。
「取材現場でも『桃田選手の親戚筋に同姓の方がいるのか』とファンから問い合わせが届くことが稀にあります。しかし、選手本人や関係事務所が公認している人物の中に該当者はいません。著名人の名声にあやかりたいアフィリエイト記事がキーワードを乱造した結果、一般の方の名前や架空の組み合わせがトレンド化してしまった典型例と言えます」