実際の職場環境やキャリアパスはどうなっているのか。急性期総合病院、リハビリテーション病院、クリニックで働く現役従事者へのヒアリングやネット上の実態証言から、2026年現在のリアルな声を抽出しました。
現場の声1:タスクシフトで責任の重みが増した総合病院の臨床工学技士(30代男性)
「法改正以降、ICUや手術室で任される範囲が明らかに広がりました。医師からの信頼を感じる一方で、医療機器の操作ミスは即座に患者の命に関わるため、精神的なプレッシャーは昔の比ではありません。夜間の緊急呼び出し(オンコール)手当は見直されつつありますが、責任の重さと給与水準が見合っているかは、施設ごとの格差が激しいのが現実です」
現場の声2:供給過剰の波に直面する理学療法士(20代後半女性)
「理学療法士は養成校の増設によって有資格者が急増したため、病院の求人倍率は年々厳しくなっています。単に『マッサージや歩行訓練ができる』だけでは評価されません。私は地域包括ケアを見据えて心大血管リハビリテーションの専門資格を取り、回復期病院から訪問リハビリへ転職しました。インセンティブ制度のある事業所を選んだことで、病院時代より年収が120万円近く改善しました」
転職市場の全体像を見ると、「職種による需給バランスの歪み」が顕著です。理学療法士(PT)や作業療法士(OT)は都市部での採用基準が厳格化する一方で、言語聴覚士(ST)や臨床工学技士(CE)は全国的に人材不足が続いており、採用競争が激化しています。また、院内だけでなく、医療ITベンダー、治験コーディネーター(CRC)、医療機器営業など、民間企業へのキャリアチェンジを選ぶコメディカルも増加傾向にあります。