ネット上の一部レビューで見受けられる「讃岐うどんに比べてコシが弱い」「量が少なめで価格が高い」という意見には、うどんの製法と文化に対する根本的な誤解が存在します。
讃岐うどんが「厚みのある麺を強く踏み、グルテンの強い弾力(噛みごたえ)を楽しむ剛の麺」であるのに対し、稲庭うどんは「熟成を重ねて手延べし、滑らかな気泡構造によって喉越しと繊細な食感を味わう柔剛一体の麺」です。太麺の弾力感を期待して訪れるとギャップを感じる可能性がありますが、手間暇かけた完全手作業の工程数と熟成期間を考慮すれば、その価値構造は全く異なります。
また、一杯あたりの麺量は上品に見えるものの、佐藤養助では麺の大盛り設定や比内地鶏ご飯、天ぷらとのセットが充実しています。銀座の一等地で、職人の手仕事と洗練された空間を享受できる体験価値を含めれば、むしろコストパフォーマンスは極めて堅調であると評価できます。