現代はデジタルテクノロジーの進化により、物語を楽しむ手段が劇的に多様化した時代だ。Amazon Kindleをはじめとする電子書籍端末の普及により、いつでもどこでも膨大なライブラリにアクセスできるようになり、出版業界も紙とデジタルの融合を急ピッチで進めている。また、Netflixをはじめとするストリーミングサービスでは、世界中の映像作品が手軽に消費されるようになった。
こうした時代にあっても、芦田愛菜の「活字に対する誠実なアプローチ」は揺るがない。映像化された話題作であっても、必ず原作本に立ち返り、文字が紡ぎ出す本来のディテールや行間の余白を確かめる。映像と活字の双方向から物語を解釈する姿勢は、デジタル時代のメディア消費におけるひとつの理想的なあり方を示している。