高い評価を受け続ける『独眼竜政宗』『真田丸』『鎌倉殿の13人』といった名作と、不評に沈んだ作品には、決定的な違いが存在します。
歴代の名作大河に共通しているのは、「人間の業(ごう)とリアリズムの容赦ない描写」です。主人公であっても私利私欲に走り、時には冷酷な決断を下す。時代の残酷さに翻弄されながらも必死に生き抜く姿を描くからこそ、視聴者は感情を激しく揺さぶられます。三谷幸喜脚本の『鎌倉殿の13人』が絶賛されたのは、仲間同士の血みどろの権力闘争を逃げずに描ききったからに他なりません。
対照的に、不評を買う作品は「誰も傷つかない綺麗事」で歴史を塗り替えようとします。登場人物の行動原理が歴史的文脈から外れ、脚本家の現代的な都合で動かされていると感じられた瞬間、大河ドラマ特有の没入感は完全に失われてしまいます。