このトップ交代劇と組織再編を最も厳戒態勢で見つめているのが、警察庁組織犯罪対策部である。暴力団の弱体化が進む一方で、捜査幹部が最も警戒するのは「組織の潜在化」だ。表向きの構成員数は減少傾向にあるが、実態はより不透明で見えにくくなっている。幹部層の資産隠しや、フロント企業を介したマネーロンダリングの手法は巧妙化の一途を辿る。
とりわけ近年、治安当局が血眼になって追っているのが、いわゆる「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」と伝統的組織との接点だ。特殊詐欺や闇バイト強盗などの実行部隊と、上層部への上納金システムがいかに結びついているのか。警察庁組織犯罪対策部は、住吉会の新体制が地方組織や下部組織の末端に至るまで統制を維持できているのかを厳しく精査している。資金の流れを断ち切る壊滅作戦は、かつてない強度で進行中だ。