世間一般では「親身に話を聞いてあげれば落ち着く」「十分な愛情を注いで安心させればメンヘラは治る」と信じられがちですが、これは最も危険な誤解です。臨床の場でも指摘されている通り、素人の無制限な受容は治療になるどころか、相手の病理的な依存を加速させる「イネイブラー(支え手・依存助長者)」へと自身を転落させる引き金になります。
真面目で責任感の強い人ほど、「彼女が不安定なのは自分の愛情表現が足りないからだ」と自責の念に駆られ、要求に応え続けてしまいます。しかし、メンヘラが求めているのは健全なコミュニケーションではなく、「自らの見捨てられ不安を一時的に麻痺させるための感情のサンドバッグ」に過ぎません。あなたが睡眠時間を削って長文LINEに付き合えば付き合うほど、相手は「このレベルまで騒げば構ってもらえる」と学習し、行動はより過激化します。
「見捨てない優しさ」は、境界線を引けない弱さと表裏一体です。相手の感情の責任を自分が背負い込む共依存の構図から脱却しない限り、どれほど時間を費やしても平穏な日常が戻ることはありません。