茨城県高萩市を代表する観光名所として名高い高戸小浜海岸(たかどこはまかいがん)。環境庁(現・環境省)などが主導した選考において「日本の渚百選」に選ばれたこの地は、南北二つの入り江(南浜および北側のささき浜など)と、それらを隔てる海食崖の造形美が際立ちます。
砂浜に足を踏み入れると、まず目を奪われるのが白砂と青松、そして太平洋の澄んだ潮流が織りなす鮮やかなコントラストです。茨城県立自然公園の一部にも指定されているこの海岸線は、一般的な単調な砂浜海岸とは一線を画し、太古の波食作用によって形成された奇岩や洞窟スポットが連続しています。
特に象徴的な遺構として知られているのが、岩肌をくり抜いて造られた「手彫り洞窟」です。かつて地元住民の生活用通路や漁業の行き来として使われていたとされるこの素掘りのトンネルは、洞窟の内側から外の青い海を額縁のように切り取ることができる撮影スポットとして広く親しまれています。波音だけが反響する岩壁の間を通り抜ける体験は、日常を離れた静寂と自然の威容を肌で感じさせてくれます。